2016/02 © Hideo Nakano nh1886@yahoo.co.jp ストロー・カイト
はじめに これは、ストローで骨組みを作った簡単な飛行機の作り方の手引きです。つばさには薄いポリエチレンのゴミ袋を使います。トイレット・ペイパーの芯で作ったプロペラを輪ゴムの力で回転させて飛行します。上手に作れば屋内でも20 mほど飛びます。
材料と道具
ストロー・カイトの飛ばし方 学校の体育館など屋内で飛ばすことをおすすめします。 左手でプロペラ軸のプロペラに近い側を持って、右手の人差し指でプロペラを時計回りに回してプロペラ軸内の輪ゴムを巻き上げていきます。最初に飛ばすときは150回ほど巻いてください。(二回目以降は200回ほどまで巻けます。)
1.つばさ ボール紙などの厚紙を使ってつばさの型紙を作ります。下の大きさは、右半分を表しています。その大きさで2枚作るか、さらに大きな厚紙を使って右半分と左半分をつなげた1枚の型紙を作ってもかまいません。
大き目のカッティング・マットに薄いポリエチレンのゴミ袋から作ったシートを貼り付けます。その上につばさの型紙をおいてカッターでつばさを切り出します。何枚かシートを重ねておけば同時に複数のつばさが切り出せます。
2.ストローの切り方
直径5.0 mm 〜6.0 mmの均質なストローからは以下の部品を切り出します。
直径7.0 mmの硬めのストローを使って次の部品を作ります。プロペラ軸ばさみ、プロペラ軸、ビーム・キール用ジョイント(4本)、上横ビームの芯です。
3.ストロー・カイトの骨組みの作り方 3.1 上横ビーム まず上横ビームから作り始めます。2本の上横ビーム(半分)の短腕には縦の切り目が入っていること、硬めの太いストローから作った上横ビームの芯には端から端まで切り目が入っていることを確認してください。また、プロペラ軸ばさみとセロハン粘着テープを用意してください。 ・上横ビームの芯を一方の上横ビーム(半分)の長腕に2.0 cmだけさしこみます。次に残りの部分をもう一本の上横ビーム(半分)の長腕にさしこみます。 ・一本になった上横ビームの両端にある短腕が同じ方向を向くようにします。 ・セロハン粘着テープで左右の半分を固定します。 ・上横ビームをプロペラ軸ばさみに通します。
模式図
実際の部品の写真
3.2 キール(竜骨)、前ビーム、下横ビーム キール(竜骨)と2本の前ビームをつなぎます。後ほど下横ビームと上横ビームを結合させるとストロー・カイトは前から見た時に次の三角形になっています。
3.3 前ビーム延長部とキールの延長 太いストローで作ったジョイントを使って前ビームとキールを延長します。まず三つのジョイントを半分だけ前ビームの後方の穴(二箇所)とキールの後方の穴にさしこみます。続いてジョイントの自由な端を前ビーム延長部とキール延長部にさしこみます。キールの延長部の自由な端にはさらにもう一つのジョイントを入れます。そこには尾部(テイル)をつなぎます。
3.4 プロペラ軸の取り付け
輪ゴムを四つ用意し、2つずつの輪ゴムをつないで2つの8の字の形にします。銅線(または釣り糸)を図のようにそれぞれの8の字の一方の輪に通します。ストロー・カイトの先端にあるキールの短腕の穴に銅線の両端を入れます。銅線がプロペラ軸の反対側に出るようにします。
竹ぐしをカッターとプライヤーで薄板のように加工して輪ゴム・ストッパーを作ります。プロペラ軸の先端から出ている輪ゴムの下端にストッパーを通し輪ゴムの下端を固定します。銅線を引いて輪ゴムの上端を出し、そこにおもちゃ用プロペラのフックを引っ掛けます。
3.5 つばさの貼り付け
4.ストロー・カイトのバランス調節 ストロー・カイトの飛行はストローの品質・質量、つばさの質量、おもちゃ用プロペラの性能、輪ゴムの品質、組み立て方によって影響を受けます。 何回か試験飛行をしているとストロー・カイトが何故飛べるのかとか、何故右に向かって飛ぶ傾向があるのかなどに気づくと思います。
ストロー・カイトの上部にあるプロペラは後方に向けて空気の流れを作ります。機体上の速い空気の流れは機体上の空気の圧力を下げます(ベルヌーイの定理)、したがって圧力の高い機体下の空気は機体を押し上げ、上部の空気は機体を吸い上げるように働きます。また、プロペラが後方へ押し出す空気は、機体を逆方向に動かします(作用反作用の法則)。こうした原理でストロー・カイトは飛行ができるのです。
機体後方からストロー・カイトを観察するとプロペラは反時計周りに回転しています。そのためトルク効果によって機体はプロペラ軸に対して時計回りにひねられます。したがって右側に曲がりながら飛行する傾向があります。
ストロー・カイトを真っ直ぐに飛ばしたければ、尾部(テイル)よりも左翼の後端(前ビーム延長部)にクリップなどの重りを付けるとよいでしょう。
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