水レンズ顕微鏡

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はじめに

ガーナで活動中(2007年から2010年)、授業で使える顕微鏡の数が限られていたため、学生が個別に利用できる観察器具として作りました。ガラスビーズ顕微鏡は良く知られていますが、当時の任地では材料の入手が難しかったため、水レンズを使いました。

1.52.0リットルのPETボトルを加工して水レンズ顕微鏡を作ることができます。ガーナ製のヴォルティック・ボトルであれば1本のボトルから6台(?)の顕微鏡が作れました。

球形に近い水滴は対象物をガラスの凸レンズと同じように拡大することができます。この顕微鏡では、水滴の大きさや形を調整するのに少し時間がかかるかもしれませんが、透明に近く傷の少ないボトルを使えばタマネギの表皮にならぶ細胞の様子などを観察することができます。顕微鏡に使う水レンズは直径が約1.52.0mmになるようにします。倍率は100倍前後になります。

 

 

できあがった水レンズ顕微鏡

水レンズ顕微鏡で見たタマネギの表皮

 

材料と道具

1.5リットルのVoltic bottleまたは、似た形状のボトル、黒のパーマネント・マーカー、定規、爪楊枝、水を入れる容器、よく切れるハサミ、タマネギ(赤タマネギが観察しやすい)

 

作り方

ボトルを図の赤い線のように横断します。切り出した部分の高さは約6cmです。

 

上下をきれいに切り、ボトルにあった溝が2本だけ残るようにします。(この形状にこだわる必要はありません)

図のように縦に向かい合った隅を切ります。L字型の部品が二つできます。それぞれの部品から顕微鏡がひとつ作れます。

 

 

L字型の部品をひとつ取り、図のような形に切ります。正確に図の長さにならなくても問題はありません。細い帯の部分がレンズをのせるところに、残りがベースになります。

帯状に伸びていた部分を図のように折り曲げベースに引っ掛けます。

 

図のように帯状の部分を裏側から黒く塗ります。中央の直径1.5mmの部分は塗りません。後ほど、その部分の表側にレンズになる水滴をのせます。

 

 

顕微鏡をひっくり返します。

試料として、顕微鏡の裏側に薄くはいだタマネギの表皮(細胞層が1層であること)をのせます。試料を通った光が水レンズをのせる穴を通るように置きましょう。

 

水をつまようじで少量だけ試料にのせます。

 

 

 

 

試料にのせた水の上にカバーをのせます。カバーは試料をのせたプラスチックと同じ曲がり具合のプラスチックをボトルから切り出して作ってください。傷の無い透明な部分が最適です。

 

顕微鏡をひっくり返して水滴を黒帯の中央にある透明な部分にのせます。水滴を落とすというのではなく、すこしずつ盛り上げながらの(載)せるようにします。直径が1.52.0mmになるようにしましょう。何回か試して円に近いレンズを作ってください。

水レンズが眼の側に、試料が光の側になるように顕微鏡を持ちレンズをのぞきます。帯の部分をベースに対して押したり引いたりしてピントを合わせます。

 

 

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